「沖縄ともろさわようこ 女性解放の原点を求めて」
2023/09/12
この本は女性史研究家で佐久市出身の、もろさわようこさんが、日本復帰直後の1972年から沖縄に何度も取材に訪れ、いくつもの離島の女性たちにも会い、やがては沖縄に「歴史を拓くはじめの家うちなぁ」を作って交流するなど、50年以上の間、沖縄にかかわって執筆した評論やインタビュー、講演録などをまとめている。もろさわさん編集の他の出版物からも、沖縄の女性たちが語った歴史、戦争体験などの記述を再録。もろさわさんへの沖縄在住の人々の評論も載せ、沖縄ともろさわさんを多様に読むことが出来る。500ページ近くある本を、安易な言葉でまとめて恥ずかしいが、本土からと、男からの二重の差別を読むことになる。島民の4人に1人が戦死した戦争体験を母から聞いた娘たちの記述は、戦争を知らない若者や孫たちの世代にぜひ読ませたい。
私ごとだが、毎日新聞の学生モニターのバイトをしていたこともあり、国会図書館で、全国の地方紙を読みあさった。信濃毎日新聞がもろさわさんの「信濃のおんな」(後に未来社から上下2巻で出版され、毎日出版文化賞受賞)を1面で連載しているのに、驚いた。ジェンダーという言葉も感覚もなかった時代である。新聞記者になろうと思ったとき、信毎を選んだのはこの連載に出合ったことが大きい。

照屋勇賢さんの表紙「遥か遠くからの未来より」
私ごとだが、毎日新聞の学生モニターのバイトをしていたこともあり、国会図書館で、全国の地方紙を読みあさった。信濃毎日新聞がもろさわさんの「信濃のおんな」(後に未来社から上下2巻で出版され、毎日出版文化賞受賞)を1面で連載しているのに、驚いた。ジェンダーという言葉も感覚もなかった時代である。新聞記者になろうと思ったとき、信毎を選んだのはこの連載に出合ったことが大きい。

照屋勇賢さんの表紙「遥か遠くからの未来より」