外出自粛の呼びかけで役所が広めた「不要不急」の意味は曖昧。解釈は各自に任されているのに、「不要不急でない」と非難されると謝るしかない。非難する側に有利で、自粛の強制→魔女狩りに発展しかねない。さらに、混乱を招く言葉にもなっている。「3密」を避ける狙いなのに、「日常生活に必要な事業」(西村康稔経済再生担当相)で不要不急でないとしたスーパーやホームセンターは混雑し、レジの間隔を空けても売り場は密集、密接だ。半面、文化活動や映画館などは、不要不急とされた結果、がらがらで「3密」とほど遠くても人々は行くのをためらい、それらを支える人々を困窮させている。さらに、「不要不急」は、犯罪を見えなくする。黒川弘務東京高検検事長が賭けマージャンで辞職した際、記者が加わった朝日新聞は当初、金銭をかけていたかどうかは調査中としながら、「不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為」とわびる談話(21日朝刊)を出した。産経新聞も、賭けマージャンは決して許されるものでないとしながら「不要不急の外出自粛が求められている中で」「深刻な問題」と論点をはずしている(22日同)。黒川検事長本人も「緊急事態宣言下における私の行動は緊張感に欠け軽率」なので「猛省」しているとし、博打という犯罪を隠している。「外出を控えよう」「3密を避けよう」で十分足りる。「不要不急」の言葉を控えよう。

 17日午後7時のNHKニュースで驚いた。「バカラ賭博の疑い『3密』状態の店を摘発」というテロップ。警察の押収場面の後に建物の外観が写され「窓無く扉も三重で『3密』状態」とのテロップ。そそっかしい視聴者は、「3密」で摘発されたのかと思う。IRという公営賭博場が構想され、賭博より「3密」が悪いのかと思う人がいてもおかしくないからだ。ニュースは、逮捕された客の「仕事が休業ですることが無く週に2,3回来ていた」との話を紹介、「違法な賭博は論外だが、汚染拡大で合法なギャンブルにも依存症の問題が表面化してきた」とパチンコ店の話に繋げ、依存症を問題にしたかったのだとようやく分かる。
 しかし、コロナ禍で、世の中が自粛の同調圧力を強め、県外ナンバーの車を傷つけるなど排除志向も強めている。魔女狩りをそそのかすことにならないようメディアは慎重でありたい。「密接」はコロナ予防に今は避けるべきだが、本来はとても人間的な行為、「悪」では絶対にない。




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