男女格差=日本社会の後進性

 3月31日公表の世界経済フォーラム「男女格差報告」で、日本の男女平等の水準が世界156カ国中120位の結果が出た。この日本社会の後進性は、コロナ禍の期間に私が痛感したテーマのひとつになりそうだ。
 始まりは、昨年4月24日未明放送の「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」。岡村がコロナの感染拡大を巡り「絶対面白いことがある」「かわいい人が、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」「短時間でお金を稼がないと苦しいですから」と話した。それまで土曜日は、朝ドラの延長で新聞を読みながら「チコちゃんに叱られる!」をつけっ放しにしていたけど、その後は岡村が出る前に消している。
 だが、岡村の予測は当たり、女性の失業率、自殺の増加という統計にも表れた。昨年12月1日のNHKクローズアップ現代+は、「“パパ活”広がる性被害▽生活苦が女性を追いつめる」として、派遣やサービス業を解雇された女性、専業主婦までが、生活苦から“パパ活”という「援助交際」に替わる言葉の世界にはまって性被害に遭っている実態を報道した。
 半月前の11月16日には東京都渋谷区幡ヶ谷のバス停で、所持金が8円しかなく路上生活していた女性(64歳)が近所の男に殴られ殺される事件も起きた。
 今年2月3日、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」との東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言は、こうした社会の氷山の一角だ。世界のメディアが大騒ぎしたのに比べ日本のメディアや政界の反応が最初鈍かったのは、ともに男社会だからだ。
 「弱い男どもの暗黙の共済制度」と私が思う女性差別は、新聞社の採用で女性記者を増やす難しさでも感じてきた。
 私見だけど、男女差別の根は男尊女卑の日本の武士道だろうが、それを今日まで定着させたのは、中国の『孟子』にある「君子、庖厨を遠ざくる也」を「男子、厨房に入るべからず」と誤訳して、台所など家事とそれを担う女性を、士農工商より下の身分に据えたことにあるのではないか。牛が殺されるのを君子が可哀そうと止めると国民は肉を食べられなくなるので、君子を入れるなというのが孟子の真意だろうに。
 私の息子たちや婿は、台所にも入るし家事もする。次の世代は、私たちよりはましになるのでは、と期待している。
男女格差=日本社会の後進性


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