長野市の城山公民館に、７０年ほど前、１９５４年に寄贈された縦型ピアノ（ドイツ・ツインマーマン製）があります。今も調律されサークルなどで活用。上蓋には、寄贈したであろう６６人の名前が刻まれ、すべて女性。どういう経過で寄贈されたか、公民館に記録は無く、昔の公民館関係者に聴き、新聞記事も探しましたが、わかりません。女性合唱団？　この年の、長野市と周辺１０カ村の大合併と関係ある？
　先月、このピアノを使いバイオリニストとのコンサートがありました。コロナ対策で聴衆は申し込み順２０人でしたが、キャンセルがあり、幸運にも入場できました。目の前で演奏を聴くのは素晴らしい。
　寄贈された当時に思いを馳せました。戦後まもなくで貧しかったでしょう。けれど、新しい日本への希望、平和や自由、民主主義、男女平等、社会活動などへの希望は大きかったでしょう。美しく重量感のあるピアノの音を聞きながら、その希望を風化させてはいけないと思いました。