「嘘を繰り返せば事実になる」かのように、「嘘」が横行した２０１６年ー。
　米国大統領選挙では、トランプ氏の選挙発言の７０％が嘘とされ＊、「ローマ法王がトランプ氏支持」といった大嘘もフェイスブックで流れました。英国のＥＵ離脱投票でも、事実とは異なる話が、結果に影響を与えました。ネットがそれらの嘘や虚報を広めました。日本では、ＤｅＮＡなど複数のネット企業の情報サイトで大半が嘘や盗用と判明、閉鎖に追い込まれました。インターネットは、真実を見分ける仕組みをそれ自体で築くのが難しいことを示しました。
　「客観的な事実や真実が重視されない時代」（post-truth＊＊）は人類の英知に反し、民主主義に有害です。
たくさんの記者と取材費をかけ、真実を追究できる新聞、これを支えて下さる読者の役割がさらに重要になると確信いたします。
　皆様にとって、２０１７年が良い年になりますよう、お祈り申し上げます。
　　　　　　　　　　　＊事実検証サイト「ポリティファクト」の集計
　　　　　　　　　　＊＊英オックスフォード大出版局が選んだ昨年注目の英単語